武田信玄とは
武田信玄(たけだ-しんげん)は戦国時代の武将で、甲斐を統一した武田信虎の嫡子として1521年に生まれた。
母は大井の方(大井信達の娘)。
兄弟に武田信繁、武田信友?、武田信廉、武田信顕、一条信龍などがいる。
妻は継室として三条の方、側室では諏訪御料人、禰津御寮人、油川夫人などがいる。
1536年、元服すると室町幕府の第12代将軍・足利義晴から「晴」の字を賜り、武田晴信(たけだ-はるのぶ)と称した。
2023年NHKの大河ドラマ「どうする家康」(主演:松本潤さん)では俳優の阿部寛さんが武田信玄の役として演じられる。
なお、徳川家康から見ると武田信玄(武田晴信)は約20歳年上であり、風林火山で知られる武田信玄の戦績は、72戦中49勝3敗20分とされ、武田勢の合戦ではほとんど負けが無い。
負けないと言うのは家臣らの離反を防ぐと言う意味でも大変有効であり、兵力を失わないように戦略を練って軍勢を慎重に動かすと言うのが、老練の強敵武田信玄と特徴と言える。
1537年、父・武田信虎の長女(定恵院・18歳)が今川義元(18歳)の正室となって武田家と今川家は同盟を結んだ。
1541年、父・武田信虎が娘婿の今川義元と会うために駿河に赴いたところ、武田晴信は板垣信方・甘利虎泰らの協力を得て国境を封鎖し、父を強制隠居・追放させた。
こうして武田晴信(武田信玄)は家督と甲斐守護職を相続。
甲斐に戻れなくなった父・武田信虎は駿河の今川家の世話を受けて余生を過ごした。
武田信玄は諏訪や信濃をまたたく間に制圧し、真田幸綱など能力ある武将も召し抱えた。
1554年には嫡男・武田義信の正室に今川義元の娘・嶺松院を迎え、更に今川家の太原雪斎の仲介で武田信玄の娘が北条氏政(北条氏康の嫡男)に嫁ぎ「甲相駿三国同盟」を結んだ。(今川氏真には北条氏康の娘・早川殿が嫁いでいる)
これにより、武田家は信濃攻略に専念でき、木曽や美濃・岩村城まで武田領とした。
徳川家康が三河・岡崎城に復帰して三河一向一揆に対していた頃には、上杉謙信(長尾景虎)との第4次・川中島の戦いとなり、弟・武田信繁や山本勘助らが討死している。
今川義元が桶狭間の戦いで討死したあとも、今川氏真と同盟関係にあったが、1567年に今川氏が甲州への塩止め(交易停止)が行ったため、甲相駿三国同盟が破綻。
今川家に近かった嫡男・武田義信を廃嫡して自刃させ、武田信玄は三河の徳川家康と手を結び、今川氏真を両側から攻撃した。
1569年、武田勢は小田原城を包囲し、甲斐に撤退の際に三増峠の戦いで北条勢を撃退。
北条氏を小田原に留めることに成功し、武田信玄は再び駿河侵攻を行うと駿府を掌握。
今川氏真は掛川城へ逃れたあと、北条氏を頼って相模へ落ち延びた。
こうして、武田信玄は今川勢の家臣らも加え「水軍」も得ている。
また、黒川金山などの開発により豊富な資金源もあり軍勢を動かせたが、春は田植え、秋は収穫があるため、7割農兵と武田勢は他の戦国大名と同様に冬か夏にしか軍事行動を起こせていない。
その点、織田信長は兵士を雇用して城下に住まわせ、1年通じて出陣できる体制を取っていたと言える。
1571年2月、武田信玄は大規模な遠江・三河侵攻を開始。
1572年12月には、二俣城の戦いなどで徳川家康は敗退し、本拠の浜松城はピンチとなった。
織田信長も浅井長政を攻撃しており、遠江までたくさんの援軍を送る余裕がなく、佐久間信盛・平手汎秀ら3000しか浜松城に駆けつけていない。
1572年1月、武田勢の馬場信春・山県昌景・穴山信君らが活躍した三方ヶ原の戦いで徳川勢は大敗北を喫し、徳川家康は命からがら浜松城に帰還している。
しかし、武田勢は浜松を通り過ぎる形で三河・野田城・二連木城を落としたが、武田信玄が血を吐いたため武田勢は甲斐に撤退した。
武田信玄、享年51。
武田勢は浜松城も比較的容易に落として徳川家を滅亡させることもできたと思うが、西へと先を急いだのは武田信玄の病状が悪かったとも考えられる。
この武田信玄の死は、徳川家康にとっても、織田信長にとっても、非常に幸運であったとしか言いようがない。
恐れない強さがあると言うイメージの織田信長でさえも、何度も武田信玄に貢物を送るなどして、機嫌取りをしていたくらいであった。
武田信玄が死去したため、武田氏の家督は武田勝頼が継いでいる。
前述したとおり、嫡男を廃していたため、武田家の行く末には問題が生じたとも言えよう。
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