鳥居強右衛門(とりいすねえもん)と言う奥平家の武将をわかりやすく2分で解説【どうする家康】

鳥居強右衛門とは

鳥居強右衛門(とりいすねえもん) は戦国時代の武将で、長篠城主・奥平貞昌(奥平信昌)の家臣(もしくは家臣の家来)。
系図や口碑によると鳥居強右衛門は、天文9年(1540年)三河国宝飯群八幡村市田にて父・鳥居兵助、母・佐与のあいだに誕生し幼名を兵蔵と言い2弟2妹がいたと言う。
文武に通じ性剛直にして人に屈することを欲せず、自ら強右衛門を称した。

2023年NHK大河ドラマ「どうする家康」では、シンガソングライターの岡崎体育さんが鳥居強右衛門(とりいすねえもん)を演じられる。

武田信玄の死後となる1575年5月、武田勝頼は長篠城奪還のため1万5000の大軍で長篠城を包囲。
武田勢は周囲に砦や陣地を築き、長篠城を孤立させた。
この長篠城の背後は、川が流れており崖で守られている天然の要害であった。
しかし、包囲された場合には脱出が困難な地形とも言える。





武田勢が押し寄せた時、徳川家康を頼っていた奥平貞昌は兵500にて籠城し、鉄砲200で応戦した。
しかし、武田勢は城の施設を徐々に破壊し、兵糧庫を焼くなどし、奥平勢は劣勢に陥った。
残すは本丸のみと言うところとなり、兵糧も乏しくなったことから、奥平貞昌は三河・岡崎城の徳川家康に救援を要請することにする。

しかし、武田勢の包囲網を突破して、65km先の岡崎城まで赴くのは、まさに命がけであった。
この困難な役目を雑兵・軽輩の類であったとされる鳥居強右衛門(鳥居勝商)が、危険を承知で自ら志願したとされる。

1575年5月14日の深夜、鳥居強右衛門は妻子を城に残し、夜陰に紛れて長篠城の下水口から川に降りた。
そして、得意の水泳にて豊川を潜って下ると、長篠城からも見渡せる雁峰山に登り、戦場を抜け出す事に成功したので合図の烽火を上げたと伝わる。
このとき、長篠城からは歓声が上がったとされる。

そして、その日のうちに岡崎城に到着すると徳川家康に援軍を要請。
既に織田信長3万の軍勢が岡崎城に入っており、5月16日に長篠へ進軍する予定となっていた。
喜んだ鳥居強右衛門は、苦しい籠城を続けている仲間に早く伝えようと、急いで長篠城へ引き返したとされる。
5月16日の早朝、雁峰山にて合図の烽火を掲げた。
しかし、詳細を報告する為、長篠城への入城を試みた。

ところが、長篠城の西岸にある有海村にて、武田の兵に捕縛されてしまう。
烽火が上がるたびに、長篠城から歓声が上がる事を不審に思い、武田勢は警戒を強めていたようだ。

織田の大軍が迫っていたことから武田勝頼は長篠城を一刻も早く落とす必要性に迫られ「援軍は来ない。あきらめて早く城を明け渡せ」と、長篠城へ向かって叫べば、鳥居強右衛門の命を助けるばかりでなく、武田家の家臣として厚遇すると言い、武田への協力を命令した。





鳥居強右衛門は、長篠城の西岸の見通しの良い場所に立たされた。
そして、最初から死を覚悟していた鳥居強右衛門は、長篠城に向かって「あと2~3日のうちに織田・徳川の援軍が来る。それまでの辛抱である」と大声で叫んだと言う。

援軍が来ることを知った長篠城の城兵らは大いに士気が上がった。
しかし、鳥居強右衛門(とりい-すねえもん)は、長篠城から見えるその場(有海原の篠場野)で張り付けにされ、殺害されてしまう。(斬られたともある)

鳥居強右衛門、享年36。

鳥居強右衛門

それから2日後の5月18日に、徳川家康と織田信長の3万8000の軍勢が設楽原に布陣。

酒井忠次金森長近が率いる長篠城救援隊(松平康忠、松平伊忠、松平家忠、松平清宗、本多広孝、奥平貞能、菅沼定盈、西郷家員、近藤秀用、設楽貞通)は、5月21日早朝に、長篠城を包囲している武田勢の鳶ヶ巣山砦を後方より強襲。
武田勢の河窪信実、三枝守友、五味貞成、和田業繁、名和宗安、飯尾助友、高坂昌澄らを討ち取り、長篠城を救援することに成功した。
この奇襲部隊には奥平信昌の父・奥平定能も参加している。 

同じころ設楽原では、武田勢が織田・徳川勢に攻撃を開始し、設楽原の戦いとなった。
属に言う「長篠の戦い」の本戦である。
戦いは約8時間と昼過ぎまで続いた。
武田勢の山県昌景馬場信春内藤昌豊、原昌胤、原盛胤、真田信綱真田昌輝土屋昌続、土屋直規、安中景繁、望月信永、米倉重継などが討死し、武田勝頼は大敗を喫した。 





長篠城では、鳥居強右衛門の死を無駄にしてはならないと、降伏せずに援軍が到着するまで見事に城を守り通した。
そして、武田勝頼は、わずか数百人の旗本に守られて信濃・高遠城まで退却している。
これを受けて、徳川家康は三河を完全に掌握し、遠江の重要拠点である諏訪原城二俣城を攻略し、巻き返しを図った。

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